第6話

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「すぐに帰る予定だけど、 どうなるか解らないからいいよ? タクシーで帰るから。」 駐車場が無いので、 マネージャーを先に帰らせた。 たまにはいいだろ。 俺より早く起きて迎えに来て、 俺を送って帰ってるんだから。 早く帰れるときぐらい、 ゆっくりさせてやんなきゃ。 全くダメダメだったマネージャーも今では使える。 一緒に成長してきたんだ。 俺より年上なのに、俺をしっかり立ててくれて。 俺の相棒みたいなものだ。 店にはいると、 スタッフに混じって製作会社やら知らない人やら… けっこう集まってる。 すっげーな。 みんな賞って言葉には弱いんだな… 「遙人さん、 いらっしゃいました!」 スタッフのかけ声で連れて行かれた、一段上がったステージのような所。 なんだ。 一杯も飲ませてくれないのか? 喉カラカラなんだって… そう想って、 見渡すと、 俺にスタッフの女の子がシャンパングラスを差し出す。 それも、クープグラス。 さては… シャンパンタワー、やったのか? 俺が居ない間に。 まあ、いいか。 来るか来ないか解らなかったんだから、仕方ないよな… 「本日は… 一通りの挨拶をして、 カンパイ!なんてありふれた音頭をとって、 カラカラな喉を潤して… 一段… 降りた時だった。 あ…れは… 澪だ。 薄暗い店内だけど、 あの横顔は確かに彼女 考える間もなく、 話しかけてくる人をやり過ごして… 近づいた。
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