第6話

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奮い立たせては落ち込んで… 落ち込んではもう一度だけ。 そんな毎日だった。 きっと、 何をする人でも同じだと思う。 何をする人も、 挫折と苦悩の中でもがいて、 諦めるか、 一筋の灯りを見つけられるか。 どちらにしても、 二つに一つ。 運命は自分が握ってる。 諦めなければ、まだ道を切り開くことは出来る。 だけど、 諦めたらそこまでだ。 そう想ってはいても、 そんなに強くない。 そんなに頑張ったことなんて、 今までにはないんだ。 いつも、 自分から諦めて、逃げて… 今度だけは、 ちゃんと、もう限界まで頑張りたい。 希のために、 海翔のために。 母がちゃんと生きてるって所を、 そんな背中を見せてあげたいから。 ……… 「遙人さん。 いらっしゃいました。」 その声で想わず扉の方を見る。 来ないとは解っていても、 もしかしたら、 チラッとでも逢えるんじゃないかって、 どこかで期待してた私が隠れてたんだ…
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