第6話

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「遅くにすみません。 想った時間に帰れなくて。 希は大丈夫ですか?」 最近は遅くなることがあって、 時々希はぐずってしまう。 「ええ。 もう寝ちゃったわよ。 ママ、ママって言ってたけど、 お風呂に入ったら眠くなっちゃったみたい。 今日はもうお泊まりさせて? せっかく寝たのに起こすのは可哀想だから。 明日、起きたら連れて行くわね? まだ、ママのおっぱいが恋しいんだから…」 ほっとできる洋子さんの声。 私の変わりにママの役割をしてくれて… 本当は凄く遠慮してて、 お母さんに来てもらおうと想ってた。 遅くなるときには。 それなら家に帰った方がいいんじゃないかとも想ったり、 それじゃあ、海翔の時と同じになっちゃうって想ったり。 洋子さんが居てくれて助かった。 希の居るところで泣いたり出来ないから。 海翔みたいに我慢させちゃうから。 それだけは決めてるんだ。 どんなに辛くても、 悲しくても、 希の居るところでは泣かないって。 たとえ、 眠っているときでも。 今夜で想いを整理する。 今日あったことも、 すっかり受け入れて、 新しい私。 明日からは…
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