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「もうこなくていい!
とんだお荷物だ。」
きっとそんなことを言ったんだと思う。
ボスが…
早口で言われて、理解が出来るのに暫く掛かった。
1年前。
日本にいるときには結構な出来る女だった。
入社2年目で大きなプロジェクトに参加させてもらって、先輩たちに紛れていい刺激ももらった。
いい気になってた。
みんなもそう言ってくれていたし、自分でもそう思った。
いつかは世界を相手に仕事がしたいと英会話も習って、教室の中でいちばん拾得が早かった。
先生が言うことはだいたい理解できたし、これでいつでも世界に羽ばたけると感じていた。
私生活では大学の同期のショウともう4年のつきあいで、
お互いに忙しくしていても、週に一度は会ってどこかにお泊まりをしていた。
唯一、女に戻れるとき。
無理に時間を作れとはお互いに言わないし、
仕事を優先してきた。
そうしようと、話をしたから。
縛りたくもないし、縛られるのもイヤだったから。
でも、この関係が気に入っていた。
そして、転機が訪れる。
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