第2話 動き出す #2

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「レイって、ボスの恋人なの?」 そう、ジェイはこの会社のボス。 ジェイにもボスが居るみたいだけど、それが誰かはわからない。 でも、時々、 はいボス。 と返事をする電話の声が聞こえたりして… でも、私の前では仕事の話はしない。 スケジュールのこととか、そんな感じ。 だから、男なのか女なのかもわからない。 頭が良くて行動力もあるから、きっと才能を買われたんだろうと思う。 だって、 一度唄っただけの歌を、 時々口ずさんでいたりするんだから。 「恋人ではないです。 私が危ないところを助けていただいて、それからお世話になっているんです。 命の恩人です。」 そう。 私は自分の気持ちを解っているけど、 ジェイはそうじゃないもの。 私を家族だと言ってくれるんだから。 家族の愛を求めているだけ。 「ヘエ… そうなの? そんな風には見えないけど。 ボスはレイに心を許してるみたいだし、 レイの言葉も随分と聞き取りやすくなって、ぜんぜん不自然じゃないし… 恋人の話すことを聞こうとして、言葉は上達するって言うじゃない? だから、きっとそうだと思ったのに。」
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