第2話 動き出す #2

2/35
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
部屋に帰って、部屋の中から海を眺める。 海は… 見えないけれど、音が聞こえる。 波が打ち寄せる音。 それしか聞こえない。 なんか不思議 ジェイと出逢わなければ、ここに来ることは一生なかったと思う。 そもそもジェイが助けてくれなければ、生きているのかさえわからない。 何か唄ってよ… 日本の歌。 えっ? 歌? なんだろう… ジェイが言うと何か口からついて出てくる。 父親がお酒を飲むとよく歌っていた歌 いつもは堅いことばかり言ってるのに、少し酔ったときに唄っていた… あまいくちずけ… 遠い思い出… なんだっけ… いっそ なんだっけ… セレナーデ だったかな… 覚えてる 父は一番だけしか唄わなかったから、一番しか知らないけど… 悲しいメロディーのうた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!