第2話 動き出す #2

6/35
前へ
/35ページ
次へ
帰りたい… ことはない。 まだ何も仕事をしていない。 何をするためにこの国に来たのか… それさえも見つけられていないのに、帰れない。 帰りたくない。 それに… 「帰りたくないです。 ちゃんと何かを見つけるまで。」 良かった… って。 私を抱きしめたまま、 良かったって言った… 一瞬 唇が触れた。 触れただけのほんの短いキス。 キスとも呼べないかもしれない。 「どうして…」 心臓がヘンな音を立ててウルサい。 体から力が抜けて、動けない。 なんでキスなんて…
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加