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何も言わないジェイ
聞かれたくはないけど…
なんて思ってるのか…知りたい。
でも、知りたくない。
言いたくないもの…
何も。
「戻りました。」
というアンジーの声が聞こえて、水と一緒に薬をトレイに乗せて持ってきてくれた。
「今、スープを温めていますから、少し食べて、お薬飲みましょうね。
旦那様、あとはお任せください。」
私にも優しく声を掛けてくれる…
アンジーがキッチンに向かったあと、
じゃあ、ちょっと行ってくる。
すぐに帰るから、ゆっくり休むんだよ…
そう言って、
そっと、唇を寄せた…
あの頃と同じキス
ただ一瞬…触れただけの…
でも、それが何より嬉しかった…
まだ、あの頃と同じ位置に居させてくれる。
まだここにいてもいいんだって…
言ってくれた気がして。
優しい瞳で髪の毛をそっと撫でて…
手を振って、部屋を出たのを見送った。
涙が…出てた
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