第3話 誓う #3

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スープ皿によそってくれた、ひとつ梅干しが乗ったお粥… ひとくち… 口に運んだ途端、涙が… 「おいしい…」 優しいお母さんの味 お母さん… ポロポロと出てくる涙 でも、美味しくて、 一皿、キレイに食べた。 黙って見てくれているアンジー… アンジーも、だ。 私の事を思ってくれてる人 ジェイだけじゃなかった。 「ありがとう、アンジー…」 「日本のものと同じ味?」 「うん。 お母さんを思い出した。」 空いたお皿を嬉しそうに戻して、 涙の顔を手のひらで拭ってくれる。 お母さんに逢いたいのね…? 優しい瞳で呟く彼女は、母の顔だった。 「味見したんだけど、よくわからなかったの。 美味しいの? オカユ…って。」 そうなのかな… 「日本では、具合の悪い時に食べるの。 消化にいいし、 何より優しい味。 本当にありがとう。 梅干しもおいしかった。」
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