第4話 心配

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と言ってみても事はなんの解決にもならない。 私に出来ることは、彼女を少しでも苦しめないこと。 なんとか契約の期間を無事に終わらせること。 だからあのことをジェイに告げなかった。 ジェイが取り乱すと、彼女はどんなに辛いか… 考えなくても想像できる。 車を離れたところに停めて、電話を見つめる。 大きな息を吐いて発信ボタンを押した。 「昨夜の件ですが…」 待っていたようだ。 「今、ジェイに会ってきたのですが、 相当参ってて… 精神的なことを考慮して、今回はやめておいた方がいいと思います。 思い詰めて何か仕出かしでもしたら、スキャンダルになりかねません。」 相手はフィリップ。 愉快そうに笑っている。 「そんなに入れあげていたのか? たかが女に。」 たかが… そうだよな… あんたもかわいそうな人だ。 「ええ。彼はもう再起不能かと…」 高笑い… 「簡単なもんだな… あれだけ楯突いておいて。 じゃあ、いい。 バカな男は早く切り捨てろ。 でも、忘れるな。 コレはひとつ貸しだぞ?」 やっぱりそうきたか。 どこまで卑劣なヤツなんだ。
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