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長居をするつもりはない。
道路に車を止めて、ビルの中に入ろうとして、
ふと、ひとりの男が目に入った。
どうも日本人のようだ。
まさかな…
レイを探している男が頭をよぎる。
でも、そんな偶然はあり得ない。
とか思いつつ、近寄ってみる。
「何かお困りですか?」
そんなキャラじゃないのに、親切ぶって声をかける。
これ以上レイに纏わる男に出てきて欲しくない。
「あ、ちょっと、お伺いします。
この女性…
このあたりでお見かけしませんでしたか?」
えらく丁寧なぎこちない言葉。
出したスマートフォンの中には、レイ。
レイが笑ってる。
やっぱり、あの男か…
「似てる子を知っているかもしれません。
でも、ここには居ないかと。
知り合いのところの女の子に似てるような…
でも、
どういう関係の方か、聞かなければ問い合わせをすることはできません。
いろいろ物騒な事件もありますから。
良かったらお話ししていただけますか?」
あー、もう、
また厄介なことに顔をつっこんでしまいそうだ。
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