第4話 心配

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長居をするつもりはない。 道路に車を止めて、ビルの中に入ろうとして、 ふと、ひとりの男が目に入った。 どうも日本人のようだ。 まさかな… レイを探している男が頭をよぎる。 でも、そんな偶然はあり得ない。 とか思いつつ、近寄ってみる。 「何かお困りですか?」 そんなキャラじゃないのに、親切ぶって声をかける。 これ以上レイに纏わる男に出てきて欲しくない。 「あ、ちょっと、お伺いします。 この女性… このあたりでお見かけしませんでしたか?」 えらく丁寧なぎこちない言葉。 出したスマートフォンの中には、レイ。 レイが笑ってる。 やっぱり、あの男か… 「似てる子を知っているかもしれません。 でも、ここには居ないかと。 知り合いのところの女の子に似てるような… でも、 どういう関係の方か、聞かなければ問い合わせをすることはできません。 いろいろ物騒な事件もありますから。 良かったらお話ししていただけますか?」 あー、もう、 また厄介なことに顔をつっこんでしまいそうだ。
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