第4話 心配

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「そのときは、諦めます。 レイが新しい人生を選んだのですから、 私にはどうすることも出来ません。 でも、知らない土地で不安だったから、 そんな勘違いをしているとも限りませんし… 一度だけ、電話をくれたことがあるんです。 きっと、前の会社を辞めさせられた時ぐらいだと思います。 そのときはそんなことになってるなんて知らなかったから、 レイには無理だったんだって、帰ってこいと言ってしまったんです。 本当は私が帰ってきて欲しかった。 無理だとわかれば、帰ってくるだろうと思ったんです。 そうしたらまた… でも、 彼女は、時にヘンなスイッチが入るんです。 無理だと言われたらムキになる。 出来っこないと言われたら、やってやろうとする。 そんなヘンなスイッチが… 解ってたのに、学生時代からのつき合いだから。 でも、言ってしまった。 それから連絡が取れなくなってしまったんです。 心の底から信頼できて、幸せならばいいんです。 私も仕事に集中していつか日本に帰ります。 それを見届けたいと思うんです。」 なんだろうか… 何がこの男をそこまでさせるのだろうか。 この私でさえ、 自分の気持ちをコントロール出来なくなっている彼女とは… いったい何者なのか。 この男にレイを逢わせられない。 本能的にそう思った。 「私の知っているその女性が、あなたが探している人だったら…
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