第4話 心配 #2

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朝… そっと抱き締めて、部屋を出て行かれたアーレフ… 「じゃあ、また。」 そう言われただけ。 顔は笑っていたけど、 寂しそうな瞳 「はい。 行ってらっしゃいませ。」 扉が閉まる瞬間に、 そう答えただけ… これは、いったい… 擬似恋愛…だろうか。 アーレフにとって、私はその辺にいる小娘にしか見えないはず。 私以上の女性なんていっぱい知ってるだろう。 親…程は離れていないと思う。 聞いても教えてはくれなかったけど。 私より…10ほど上ぐらいかと思う。 想像だけど。 ネットで調べたら、トップで出てくるほどの大物のアーレフ。 何で私なんかに… ワケが解らない。 何で私にこの仕事を受けさせたのか。 混乱している。 前の時には、感じなかった複雑な想い… あの時には一刻も早く部屋から出たくて、 まっすぐに歩けもしないのに急いで帰る支度をした。 でも、今は… 帰るのが怖い。 このまま帰ると、ジェイが私の異変に気づいてしまうかもしれないから。 アーレフの気配を携えたままでは… 帰れない。 「帰る支度が済んだら連絡をしてくれ。」 オリバーさんから連絡が入る。 ああ… やっぱりこのまま帰らなきゃいけないんだ。
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