第4話 心配 #2

14/35
前へ
/35ページ
次へ
随分と離れた街だった。 ジェイの居る街に帰るのに、何時間もかかる。 多分、夜遅くになるだろう。 「どうかしたのか。」 窓の外を眺めながら、ため息をついたときにオリバーさんが聞いた。 「いえ… なんでもありません。 何時頃になるんでしょうか。」 乗り換えの時間を考慮して、11時頃に空港に着くだろうと… 時計を見ながら、オリバーさんは答えてくれる。 お昼過ぎまで部屋から出られなかったから。 気持ちの整理がつかなくて… 食事をして空港に向かった。 直行便が出た後で、一度乗り換えなければいけないらしい。 私がグズグズしてたから… まだ… どんな顔で帰っていいのか解らない。 「オリバーさん… お願いがございます。 アーレフから頂いたプレゼント、預かって頂けませんか…? ジェイがどんな想いをするか… おイヤでしたら無理はもうしませんけど。」 あ。 そうだ。 そう言って、手荷物のポケットの中からあの時に外した指輪を取り出して、 差し出す。 「忘れないうちに、付け替えておきなさい。 大事なものだろう?」 忘れてた… オリバーさんが気がつかなかったら、このまま帰るところだった。 どこまでも、なんか抜けてる。 絶対にジェイは気付く。 こんな私じゃ、 嫌われちゃう…
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加