第4話 心配 #2

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ジェイ… 声を聞くと一瞬でジェイでいっぱいになる。 早く会いたい。 早くジェイの顔を見たい。 早くジェイに抱き締めてもらいたい。 何やってるんだろう…私。 指輪のことは、正直に話せば済むことだったのに… そんなで怒るジェイじゃないことは、 私が一番知っていたはずなのに… 「ジェイ… 今日、帰れなくてごめんなさい。 明日は帰るから。 ジェイの待つ、あの家に。」 明日になれば… 元の私に戻れる。 この数日のことは胸の中にしまって、 ジェイだけを瞳に映し、生きていくんだ。 「うん。 昨日、夢を見たんだ。 レイが帰ってこない夢… 待ってるから。 明日… 迎えに行くよ。 空港に。 何時頃? 帰ってくるの…」 少し、元気になったジェイの声… でも、 何か聞きたそうな… 言いたそうな… 解ってる。 「時間は、解らないの。 オリバーさんに聞かないと… でも、9時にはここを出るから、お昼過ぎ頃かな…」 なんか… 普通に喋れる。 怖かったのに… 普通で居させてくれる。 ジェイの優しさ… ジェイの気持ちが伝わってくる。
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