第4話 心配 #2

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朝… 指輪は外れた。 オリーブオイルを付けて回しながら、 ちょっと痛かったけど、でも、スルリと取れた。 昨夜、オリバーさんが言ってた。 「万が一、オリーブ油で滑って流してしまったらいけないから、 排水口にタオルでもかけて洗いなさい。」 と。 案の定、オリーブオイルで滑って指からスルリとこぼれ落ちて、ヒヤッとした。 流してしまったらタイヘン… アーレフにも言い訳が立たないし、 オリバーさんの仕事の邪魔をしてしまうことになりかねないのだから。 私が足を引っ張っては、 ジェイのために良いことはない。 そう。 私は… ジェイの恋人。 アーレフは、幻想の中で私に接しているだけ。 私はただのポイント。 集めたら、何かいいことがあるちょっとしたポイントにすぎない。 時が経てばすぐに飽きて、 忘れられる。 アーレフほどの人だもの。 そのくらいにしか思ってはいないのだ。 頭の片隅に、 あのアーレフの揺れる瞳を感じながら、 そう思う。 「おはようございます。 どうですか?」 オリバーさんから電話がかかる。 指輪のことを言っているんだろう。 「おはようございます。 はい、外れました。 昨夜はすみませんでした。 もう大丈夫です。」 オリバーさんが居てくれて良かった。 いつも冷静で、 いつも同じスタンスで。 ちょっと怖いけど、味方で居てくれることは確かだ。 「それでは、9時に部屋の前で。」 ちょっと鼻声。 今、起きたのかな… まだ1時間以上ある。 ゆっくりシャワーを浴びて、メイクが出来る。 ジェイに会うために、 少し念入りにキレイにしようか…
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