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「おかえり…レイ…」
耳元でジェイの声がする
「ただい…ま…」
いい終わるのが待てないと言うほどの勢いで、体の向きを換えられて、
いきなりのキス…
大勢の乗降客が行き交う中で、ふたりの時間だけが止まった…
それは、
キツくて…
激しくて…
切ない。
深く深く、
魂がひとつになるような、
私の迷いなど消し去るほどに
すべてを受け止めてくれるキス…
体の力が抜けて、
立っていられないほどの…
ゴホン…
咳払いが聞こえて、唇が離れた。
「私はここで…」
それだけ言って、オリバーさんが歩き出す…
あの、トランクケースを持って。
「オリバー、
ありがとう。」
ジェイが背中に声をかけた。
その声に手を上げただけ。
足早に、オリバーさんは帰って行った…
ありがとうございます。
私は心の中で…
そういった。
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