第4話 心配 #2

4/35
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
優しいキスだった… 飛行機の中。 震える息が、切なさを伝えてきて、 そっと瞼を伏せた。 2時間ほどのフライトの、ほとんどをキスして過ごした。 イヤじゃなかった。 好んでというわけではないけど、 無理に我慢してたっていうことはなかった。 アーレフの心が少し解ったからかな… 見た目よりずっと柔らかな唇で驚いた。 前の時はそれどころじゃなかったから… ただ、なにも感じないように、 何も見ないようにしているのに必死だったから… 「私のかわいいレイ… 心ごと受け入れてくれた… と言うことでいいのかな…」 アーレフが私の素肌に指を滑らせて聞く。 まだ…ダメ 痛いほど感じる… 火照ったからだがおかしくなっちゃう… 「アーレフ…? お願いがございます。 お気に障ったら申し訳ございません。 プレゼントはもう、いただけません。 そんなつもりじゃないのですから。 ただ、お話を聞かせていただいたり、キスしたり、 こうして… 触れ合ったり… それだけで充分でございます。 どうか、お気を悪くなさらないでくださいませ。」 クスッと笑ってキスを… 私… 感じてしまった…
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!