第4話 心配 #2

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「違うんです… 違うの… とっても嬉しいんです… でも、 優しくしていただくと… 辛くなるから、 だから…」 傷つけてしまったんじゃないかと思うと、 胸が苦しい。 涙が出そう… 「ゴメンゴメン。 そんな顔はしないで。 私が悪かったよ。 じゃあ、 ひとつだけなら受け取ってくれるかな? レイのために、何かを選ぶというのが楽しくて仕方ないんだ。 毎回、小さな物をひとつだけ… それだけは許しておくれ?」 祈るような瞳で覗き込むものだから… 頷いて、キスした… ゴメン…ジェイ。 ジェイを裏切ってる気がする。 でも、この決意は間違ってはいないと思っている。 やるからには、精一杯、自分の出来ることをしたい。 アーレフの気持ちも伝わるし、 優しさが染みる。 何より、前の時に感じた恐怖は今、全く無いのだから、 心を許しているということなのだろう。 それが、ジェイを裏切ってると言うことになるなら、 私はこれから先、どうしたらいいのだろうか。 「恋人のことを考えているのか…?」 ぼんやりと宙を見つめる私に、アーレフが言葉を掛けた…
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