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第4話 心配 #3
「そうか。
まあ、夏じゃなくてもいい。
仕事の合間を見て、いつか行こう。
気にするな。
日本は逃げない。
でも、そういう気持ちだということだけは、覚えておいて欲しい。」
気まずい雰囲気を何とかしようと、
明るく話す。
「ジェイ?」
ン?
いいよ。
言いたいことがあったら、何でも言って。
「私、ジェイの顔を見るのが怖かったの。
きっと、ずっと苦しんでるって思ったから。
私…
どうしていいか解らない。
どんな顔をしてジェイに接すればいいのか、
どういう態度をとればいいのか。
私、本当にあの家に帰っていいの?」
当たり前じゃないか!
「苦しいよ…
でも、それはレイも同じこと。
きっと俺よりレイの方が苦しい筈。
だから、
俺はいつでも待ってる。
あの家で、レイのことだけを考えて。」
ポロポロと流す涙の滴。
ずっと我慢してきたような涙。
顔中が涙で濡れて、
グチョグチョになってる。
でも、
そうやって泣いてくれた方が俺は少し気が楽だ。
すべてを曝してくれた方が、
そして、時には俺を責めてくれた方が、
俺は楽になれる。
楽になりたいとは思わないけど。
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