第4話 心配 #3

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「ジェイさん、日本語お上手なのね。 麗に教えてもらったの?」 ジェイの言葉を聞いて、 なんか嬉しそうなお母さん。 照れ隠しのように言葉の話をする。 「はい。 元々、日本に興味があったのですけど、 レイを愛して、もっと知りたいと思うようになりました。 出来れば日本で暮らしたいと昨日も話をしたところなんです。 レイは、まだ答えてくれてはいませんけど。」 お母さんの表情が明るい。 病室に来たときの、年老いた感じとは違う。 私の将来の話をして気分が良くなったのか、 私の顔を見たからなのか。 6時頃、お父さんとお兄ちゃんが来ると言うから、 それまでホテルでも取ってゆっくりしてきなさい。と、 お母さんが言った。 飛行機で20時間ほど掛かって、それから新幹線に乗って数時間。 考えてみたらスゴく時間が掛かっている。 ジェイだって疲れているはず。 「うん。じゃあ、そうするね。 そのときに、さっきの話、していいかな。」
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