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神様は、どれだけ彼女を苦しめたら気が済むんだ。
今の精神状態で、母親の死を受け入れられる筈はない。
ましてやこんなに遠く離れたところで、
ただ、心配だけをして耐えられる訳はない。
抱き締めたまま、
電話に手を伸ばす。
「オリバー。
夜分にすまない。
レイの母親が、入院したらしいんだ。
危ない状態らしい。
一旦帰国させてはくれないか…
仕事以外で出国するのは禁じられていることは知っている。
でも、それは、基本的にという前置きがあったはずだ。
次は8月と聞いた。
だから、少しだけ、
家族のそばに帰らせてやって欲しい。」
オリバーは、すぐに了承をしてくれた。
手続きをすぐに済ませるから、
3時間後。
プライベート機専用の発着場に来るようにと言ってくれた。
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