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「本来ならば、私が同行しなければならないが、
出張帰りで仕事が溜まっているようだ。
ジェイ。
彼女を頼む。
こっちの方は、
次の仕事まで向こうに居ていいということにした。
落ち着いたら、電話をして欲しい。
あ、パイロットは心配いらない。
休暇明けの人材を用意した。
おまえの方は大丈夫なのか?
仕事。」
飛行機の前でオリバーが聞いた。
こんな奴だったか?
「ああ。
メールで指示する。
悪いな。無理言って。」
オリバーは、レイに話しかけてた。
気を確かに持って…という風なこと。
あれからレイに、すぐに支度するように伝えて、なんとか立ちあがらせた。
アンジーに声をかけたら、すぐに部屋から出てきたので、
そのことを伝えた。
慌ててキッチンに行き、何かを始めた。
帰りのレストランからずっと泣いてばかりのレイは、
熱いシャワーを浴びてるようだ。
ほんの数分でシャワーを終わらせて、ドライヤーの音がする。
俺も数枚のスーツとパンツにシャツをボストンバッグに詰めて、
自分の支度を始めた。
そうやって、家を出るときに、
アンジーが、
「きっと大丈夫。
お母さんは、レイ様の顔を見たら元気になられるわ。
これ、持って行って。
おにぎり。
お母さんの物のように美味しくないかもしれないけど、
おなかが空くとヘンなこと考えてしまうから。」
レイはアンジーに抱きついて、
「ありがとう。
行ってきます。」
そう…
行ってきます、なんだ。
レイにとって、ここは帰る家。
俺のいるところが、レイの帰るところなんだよ…
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