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「条件にもよるが、15時間から20時間は見ておいた方がいい。
こんな時間だったから、食料を積んでいない。
これ、よかったら持って行け。
その辺で買った食料だ。」
オリバー…
本当はいい奴なのか…?
妹さんが亡くなったのは、俺のせいだと言っていた。
自分でもそう思う。
いずれ破綻していた夫婦関係、
俺がよけいなことをしなければ、
命を亡くすことはなかっただろうから。
レイにはそんな想いをさせたくないと思っているのか…
「悪いな。
ありがとう。
また、連絡する。」
そう言って乗り込んだ。
オリバーのことは今はいい。
レイが青い顔でただ呆然と座っているのを、
隣で手を握る。
そんなことしか出来ない自分も情けないが、
言葉をかける術も見つからない。
体を酷使して、
やっと俺の元に帰ってきてくれたのに、
俺までレイを狂わせて…
さっき、抱いたことを後悔した。
「少し、眠った方がいい。
着くのは朝だ。
体を休めておかないと。」
はい…
と、目を閉じたレイ。
眠ってはいない。
寝てるときの寝息じゃないから。
でも、
目を閉じているだけでも、少しは休まるだろうと、
何も言わずにブランケットを掛け直して、
手を握った。
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