第4話 心配 #3

8/35
前へ
/35ページ
次へ
***** 「お母さん。」 眠っている母親の手を握る。 2年近く見ていない母の顔は、 半分位になっていた。 キレイだった肌も、シワシワでくすんでいる。 苦しんだ様子。 見ていられない。 「レイなの?」 目を覚ました母親が、掠れた声を発する。 母の布団に突っ伏した私の背中をジェイが撫でてくれていた。 「お母さん…」 それ以上、何も言えない。 「キレイになったね…」 掠れた声で、やっと出た声が、 愛しく私に届く。 私の顔を、手のひらで撫で回し、 髪の毛を紡ぐように、指を絡ませて… 小さい頃、大好きだった。 お母さんに髪の毛を束ねてもらうのが。 「あら、そちらの方…」 ジェイの事を聞いた。 今まで、私しか目に入っていなかったようだ。 「ジェイよ。 私が勤める会社のボス。 それから…」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加