第5話 視線は #2

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「まあ、お帰りなさい! よく帰ってきて… 嬉しいわ。」 アンジーが私に抱きついた。 もしかしたら、もう… レイ様には会えないかもしれないってちょっと思ってた。 と、涙ながらに。 「そんなわけないでしょ? この家に帰りたいって思ったとき、 アンジーの顔が一番に浮かんだの。 早く会いたいって。」 「さあさあ、すぐに美味しいものでも作りましょうね?」 飛び上がるように小走りで、キッチンに向かう。 「ちょっと買い物にいってきます。 何もないの。一人だったから… 電話でも入れてくれれば良かったのに…」 そう小言を言いながらも嬉しそうにお財布だけをもって、 出かけていった。 「やっぱりアンジーね。 変わらなくて安心するわ。 お子さんの所に帰らせてあげれば良かったのに。」 ぜんぜん頭が回らなかった。 「うん、2週間ぐらいは帰ってたと思うよ。 2,3週間ほど帰ってきなさいと言っておいたから。」 そうか、よかった。
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