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「レイは…
私の死んだ妹と同じ歳なんだ。
レイが…
私の妹とよく似てるんだ。
もちろん顔とかじゃなくて、
なんか、ここが。」
そう言って、自分の胸をたたく。
「他人とは思えなくてな…
そんな顔を見たら、妹が泣いてるようで、
ここが痛い。」
叩いた胸のスーツを掴む。
なんか、
初めて…
こんな話をこんな顔で聞いたのは。
「話せば少し楽になれる。
いいから話して見ろ。」
うん…
と頷いた。
なんか…
私も本当にお兄ちゃんみたいに感じたんだ。
お兄ちゃん…
私が泣いてると、いつも、
どうした?
って聞いてくれた。
幼いとき。
「ジェイが…
最近おかしいんです。
解ってるんです。
私がこの仕事を勝手に受けて、
こうやって、しばらく居ない時にはどんな気持ちなのかって。
でも…
この仕事をしてるから、
嫌いになっちゃったのかなって。
私のことは、
もう……」
そこから先が出てこない。
言ってしまったら、
本当にそうなってしまうんじゃないかって思うから。
握りしめたハンカチが…
手から落ちる。
こんなこと…
やっぱり話さなきゃよかった…
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