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帰ってきたレイを抱き締めた。
「さっきはゴメン…
つい…」
素直になりたくて。
うん…
と返事をして、抱き締め返してくれるレイは、
大人だ。
こっちの女性には、そんな心の広い女はそうそう居ない。
自分の感じた想いを大きなジェスチャーで、喚き散らす。
それでも言った後は、すぐに落ち着くのだが。
言いたいことは山ほどあるだろう。
俺のせいなんだから。
それでも俺を許して、
こうやって抱き締めてくれる女は、
レイしか居ない。
解ってるんだ。
行かせたくなくて、
俺は、拗ねてる…
そんなちっぽけな男なんだ。
「あ、そうだ。
昨日、ひとつできたの。
まだまだ手直しが必要だけど、
見て?」
パソコンを立ち上げて、
見せたくれた世界は…
風を感じる
香りを感じる
移ろう色の感じが、レイの感じ。
うまく言えないけど、
レイの持ってる、何か。
うん。
いいな。
「なにをイメージしたの?」
素朴な質問。
「お母さん。
お母さんとの約束。」
ああそうか。
なんか解る気がする…
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