第5話 視線は #3

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帰ってきたレイを抱き締めた。 「さっきはゴメン… つい…」 素直になりたくて。 うん… と返事をして、抱き締め返してくれるレイは、 大人だ。 こっちの女性には、そんな心の広い女はそうそう居ない。 自分の感じた想いを大きなジェスチャーで、喚き散らす。 それでも言った後は、すぐに落ち着くのだが。 言いたいことは山ほどあるだろう。 俺のせいなんだから。 それでも俺を許して、 こうやって抱き締めてくれる女は、 レイしか居ない。 解ってるんだ。 行かせたくなくて、 俺は、拗ねてる… そんなちっぽけな男なんだ。 「あ、そうだ。 昨日、ひとつできたの。 まだまだ手直しが必要だけど、 見て?」 パソコンを立ち上げて、 見せたくれた世界は… 風を感じる 香りを感じる 移ろう色の感じが、レイの感じ。 うまく言えないけど、 レイの持ってる、何か。 うん。 いいな。 「なにをイメージしたの?」 素朴な質問。 「お母さん。 お母さんとの約束。」 ああそうか。 なんか解る気がする…
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