第5話 視線は #3

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*** 「どうした?」 オリバーさんが聞く。 「いいえ。 何でもないです。」 言えない。 ジェイが解らないなんて。 「オリバーさんも行ってくださるんですか?」 休暇だと言うことなのに、私に付き添ってくれるんだろうか。 今までとは違うはず。 今までは昼間、アーレフは仕事で居なかったから、 その間に昼食を一緒に取ったりして、 気を抜ける時間があったけど、 休暇だから、多分、ずっと一緒だと思う。 アーレフと。 それでも、一緒に居ってくれるの? 「もちろんだ。 着いたらなんて言われるか解らないけど。 一応、私も一緒に行くとは言ってある。」 良かった… なんか、安心できる。 オリバーさんの存在があるだけで、 なんか、 心強いんだ。 このときだけは。 「良かったです。」 空港で、搭乗を待つ。 朝早かったから、随分と早く着いた。 「コーヒーでも買ってくる。」 と言ってオリバーさんが席を立った。 自然に視界に入ってきたあの場所。 ジェイが迎えに来てくれて、抱き締められたあの場所… あのときは、ジェイの気持ちが痛いほど解ったのに… あのときは、愛されてるって、 すごく感じたのに… ジェイ… 何か言って欲しかった。 待ってるって。 ここに帰って来いって。 涙が流れてた…
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