第5話 視線は #3

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「すまない。」 オリバーさんが謝る。 「私がこの世界に引き込んでしまったばかりに、 辛い想いをさせてる。 あのとき、 私の所で、この話を留めておけば、 そんな辛い想いをしなくても済んだのかも知れない。 本当に、後悔してる。」 そんな… オリバーさんは仕事をしただけでしょ? あのときは、 怖い人だと想ったけど、 オリバーさんが居てくれるおかげで、 どれだけ助かってるか… それに、私が受けなければ、 ジェイがどうなるか解らなかった訳だし。 妹さんと同じスタンスで接してくれて、 嬉しい。 そう思った。 「オリバーさんは悪くないです。 逆に助けて頂いてます。 本当に、感謝してます。」 なんか、 泣いてる自分が情けない。 ジェイも傷ついてる。 私より辛いのかも知れない。 自分のせいだって追いつめられてるのかもしれない。 「ジェイはレイのことを愛してるよ。 ずっと変わらない。 お母さんのことは残念だったけど、 嬉しそうに俺に見せたよ。 結婚式の衣装を着たふたりの写真を。 レイの作品も見せてもらった。 なんとか世に出したいと言ってた。 愛してるから、 自分のせいだって辛いんだと想う。 そんな顔するな。 男は感情を隠すのが下手な生き物なんだ。 3年なんてあっという間だ。 すぐに終わる。」 うん… ありがとう。 そう思うことにする。 搭乗ゲートが開いて、ざわざわと人々が動き出す。 行かなきゃ…
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