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二度のトランジット。
もう何時間たったのかもわからない。
どこに行くのだろうか。
アジアの小さな空港から、ヘリに乗り換えた。
「赤道付近の島らしい。
滑走路が間に合わなかったから、ヘリを用意してくれた。」
なんでもないことのようにオリバーさんが言う。
「か、滑走路?」
スケールが違いすぎて、ヘンな声がでる。
「すべてレイのために作ったらしい。
この3ヶ月で。
随分と気に入られたな。」
出発前のオリバーさんとは違うような、
なんか、怒ってるような…
それはそうよね…
こんなに何時間も、こんなに遠くまで。
私のために、
着いてきてくれたんだから。
機嫌だって悪くなるはず…
そして着いた島には、
白い大きな家。
別荘。
「すごいですね…」
「ああ。
そうだな…」
ヘリポートから見える場所には、船着き場もあるみたいだ。
船で来ても空から来ても、
白い豪邸が出迎えるようにできてる。
玄関の大きな扉が開いて、
アーレフが飛び出てきた。
「レイ!
よく来たね?」
オリバーさんが、一歩下がり
頭を下げた…
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