第6話 揺れる覚悟

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星が輝く。 正座には詳しくないけど、 それでも宇宙に吸い込まれそうなほどの星空。 このまま、 誰とも関わらずに、宇宙に飛んでいってしまいたい気持ちになる。 ひとりでただ、漂って… 宇宙の塵になってしまったら、 誰にも悲しい思いをさせなくていいのかな… って。 私は私の意志で、自由を選んだって思えば、 みんな、私の事なんか忘れて、 幸せになれるんじゃないか… なんて、考えてしまう。 「ダメだぞ。」 アーレフが隣で言う。 なに? 私、何かダメなことした? 私の顔を見ながら、 「居なくなってしまえば… なんて、考えたらダメだ。」 アーレフ… どうしてわかるの? 「きっといつか。 こんなことを思った日があったって笑えるときがくる。 人生なんてそんなもんだ。 思い通りには行かない。 たとえ、思い通りになったとしても、 それはそれで退屈なもの。 レイが、そんな顔をしてるのは、 私のせいだって知ってるけど、 私がこんな苦しみを背負わせているのだと、わかっているけど、 レイには、ずっと、 そのままで居て欲しい。 時が来て、二度と会えなくなった後でも。」 見上げた星空。 流れ星。 流れた星に、願いをかける。 アーレフも、 ずっとそのままで… 人の気持ちが分かる、あなたのままで… と。
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