第6話 揺れる覚悟

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** 降りたった小さな町で、 俺はただ部屋にいた。 食事に出る以外、殆どを部屋で過ごした。 帰ろうとも考えた。 2週間もこんな小さな部屋に居るのは、 息が詰まるかと思ったから。 だけど、あの道のりを帰って、また、こっちに来て、 それからすぐにとんぼ返りをすることを考えたら… あんな場面を目撃してしまったから、 体の力が抜けて、 動く気にもなれなかったんだ。 「あの女も、結構その気なんじゃないのか? 嬉しそうだっただろ? イヤイヤって感じじゃない。 あんた、どうする?」 フィリップが言った。 俺が苦しんでいるところが見たいのか? わざと、そんなことを言うフィリップには返事をしなかった。 「あの女がその気なら、3年経っても関係を続けるかもしてないな。 ジェラルドの元に帰らずに、 ボスの常婦になったりして。 まあそれもいいかもな。あの女にとっては。 日の目は見れないかも知れないけど、 贅沢は出来る。 なんでも手にはいるんだ。 強かな女はそれを求める。 そういう女、今までにも何人も居たからな。 あんたもタイヘンだな。 ボスを相手にしても、勝てる訳ないんだから。 だから女は嫌いなんだ。」 女嫌いなのか? まあ、そんなことはどうでもいい。 町について、フィリップはひと仕事あるからと、 別れた。 レイ… 本当は違うよな? これは仕方がないって言い聞かせてやってるんだよな… そう信じてるから。 日の光を浴びて、 絡まってたあの二人の姿を記憶の中から追い出そうと… ベッドカバーに潜り込んでた。
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