第6話 揺れる覚悟

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そこには、 フィリップがそっと、メインベッドルームのドアを開けてるのが見えた。 中からの灯りはない。 でも、きっと、今… 暗闇の中に、フィリップが自分の部屋に入っていく陰が見えた。 何がしたいんだ。 そっとドアを開けると、 やっぱり… レイの声が聞こえた。 きっと、フィリップは、私を苦しめようとしてるんだ。 あの方が、そうしてるんじゃなくて、 フィリップなんだ。 と、察した。 すぐにドアを閉めて、 耳を塞ぐ。 でも、 どこかでホッとしてたんだ。 あの方がそんな姑息な手を使って、 私を追いつめようとしてたんじゃなかったことが解って。 やっぱり、このことは全部、 フィリップが仕組んだことだと解って。 だいたい、最初からおかしいと思ったんだ。 こっちで用意したウエルカムレディーの中から一人を選んでいたはずなのに、 まるでこの世の女は全部選べることが出きるとでもいうような言い種で、 レイを指名してきたこと。 そして、うちのボスが、 そのことにgoを出したこと。 ぜんぶフィリップが糸を引いてたんだ。 どれだけ怒らせたんだ? ジェイのヤツ。
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