第5話 視線は #4

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「思った通りには行かないものさ。 人生ってヤツは。 本当に必要な物は手には入らない。 そう思って生きてる。 そう思っていたら、後で悲しいこともないからね。 思い通りになるのは、どこにでもいるイエスマンと、 金の力。 そんなもの、どうでもいいのだが。」 アーレフの口からそんなことを聞くなんて思わなかった。 なんか、 棄ててる? 「私は、 期限が来て、 もう二度と会えない日が来ても、 あなたのことは決して忘れません。 これは… リップサービスとかじゃなくて、 本当に。 死ぬまで。」 アーレフの唇に、 私の顔を近づけた。 「それでは、 ダメですか…?」 そして、そっと 口づけを アーレフの、揺れる瞳が潤んでた… こんなに弱々しい彼をみたのは、初めて。 私が彼を愛した ジェイにするように、 愛したんだ…
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