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目が覚めたのはもうお昼をずいぶん過ぎた頃だった。
アーレフはとっくに目を覚まして、
部屋には居ない。
8時間以上寝てた。
昨日はあんなに…
私も夢中になってた。
心の中は揺れ動いてたのに、
体だけは彼を求めてた…
そんな自分が信じられなくて、
動くことすら忘れてた。
「レイ…?
おはよう。
よく眠ってたね。
私のお姫さま。」
眠っていたら起こさないようにと思ったのだろう。
音を立てずにそっとドアを開けて、
顔だけを覗かせているアーレフが、
優しい声をかける。
ベッドの中のまま、
上体だけを起こして外をぼんやりと眺める私は、
その声を辿った。
なんの音もしなかったから、
少し、ぼんやりとした顔のまま。
「起きたばかりかな?」
昨日のナーバスなアーレフとは違う。
一晩眠ったら、
いつもの迫力のあるアーレフ。
そう…
あなたは、それがよく似合う。
そうやってるあなたが安心するわ。
「すみません。
すごく眠っちゃいましたね。
起こしてくださればよかったですのに。」
髪の毛を手のひらで押さえる。
もつれて絡まって、
とても恥ずかしい。
「シャワーを浴びて降ります。
下で待っててください。
こんな顔、恥ずかしいです。」
そうか?
それもかわいいぞ?
と言いながら、笑い声を上げてドアを閉めた。
なんか今日は、ご機嫌。
良かった。
少しは気持ちが楽になっていただけたのかな…
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