第5話 視線は #4

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目が覚めたのはもうお昼をずいぶん過ぎた頃だった。 アーレフはとっくに目を覚まして、 部屋には居ない。 8時間以上寝てた。 昨日はあんなに… 私も夢中になってた。 心の中は揺れ動いてたのに、 体だけは彼を求めてた… そんな自分が信じられなくて、 動くことすら忘れてた。 「レイ…? おはよう。 よく眠ってたね。 私のお姫さま。」 眠っていたら起こさないようにと思ったのだろう。 音を立てずにそっとドアを開けて、 顔だけを覗かせているアーレフが、 優しい声をかける。 ベッドの中のまま、 上体だけを起こして外をぼんやりと眺める私は、 その声を辿った。 なんの音もしなかったから、 少し、ぼんやりとした顔のまま。 「起きたばかりかな?」 昨日のナーバスなアーレフとは違う。 一晩眠ったら、 いつもの迫力のあるアーレフ。 そう… あなたは、それがよく似合う。 そうやってるあなたが安心するわ。 「すみません。 すごく眠っちゃいましたね。 起こしてくださればよかったですのに。」 髪の毛を手のひらで押さえる。 もつれて絡まって、 とても恥ずかしい。 「シャワーを浴びて降ります。 下で待っててください。 こんな顔、恥ずかしいです。」 そうか? それもかわいいぞ? と言いながら、笑い声を上げてドアを閉めた。 なんか今日は、ご機嫌。 良かった。 少しは気持ちが楽になっていただけたのかな…
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