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第6話 揺れる覚悟 #2
「ジェイ…?」
ドアを閉めて、振り返るレイ
なにも言わせないように、抱きしめて唇を奪う。
しばらくそっとそれに従っていたレイが、
「私、この家を出ます…」
潤んだ瞳は、それをはっきりと現していて…
解ってたんだ。
きっといつかレイが俺のことなんて、
もう要らないって想うことを
「俺のことをもう愛してない…?
と言うこと…?」
少し離れるとそれが怖くて、
いつも、その陰におびえてた。
レイは家族。
ただの家族じゃない。
愛する人。
二度と巡り会えない、運命の人。
あのことがなかったら、
きっと今頃もう、
本当の家族になってるはずなんだ。
「そうではないの。
ジェイを愛してるから…
ジェイを苦しめたくないから…
だから、
離れる決断をしたの。
あの仕事が終わるまで。」
どう言うことなのか、理解できない。
「愛してるのなら、
どうして離れる必要があるんだ。
ダメだ。
行っちゃいけない。」
「ジェイ。
愛しいジェイ。
私はもう、決めたの。
あなたが、あんな風に苦しむところを見たくない。
眠れてないのに、眠ったフリをして、
言いたいことさえ言えないあなたを。
それに…」
ダメだ。
ダメだダメだ。
「ダメだって!」
つい大きな声を出してしまった。
「ゴメン…
大きな声を出してしまって。
僕が未熟なんだ。
子供なだけ。
受け入れようとしても受け入れられないだけなんだ。
今までさんざん人の家族をこんな目に遭わせて居たのかと想うと、
その罪悪感も相まって。
でも、レイはここに居なきゃダメなんだ。
俺が守らなきゃ…
あのことからどうやって守ってあげられるのか、
その事をずっと考えてる。
でも、どうすることもできない。
ただ、ここにいるときだけは守りたい。
そう決めてるんだ…」
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