12人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、
そんな生活ももう終わろうとしている。
あれから2年以上の年月が経ち、
時々のあの仕事以外は、ほとんどをパソコンの前で過ごしてるレイ。
早朝、
ジョギングに出かけてると聞いた。
私も一緒に行こうと誘われたが、
さすがにそれは断った。
体を動かすことは好きだけど、
なんか…
恥ずかしいから。
終わりまでなんか、慣れなかったな…
レイとの生活。
一緒に買い物に行くと奥さんと呼ばれて、
「兄、妹です。」
と答えてるレイ。
髪の色も目の色も…
人種も違う二人を、
不思議な顔でみる店の人にも、
笑って答えてるレイが、
眩しい…
この想いは絶対に知られてはいけない。
レイを苦しめることになるのだから。
もし。
伝えるとしたら、
もう逢えなくなってから。
全く違う世界で生きていく時が来たら…
イヤ。
ダメだな。
それでも、レイは苦しむだろう。
このまま、ずっと。
いつかは色褪せるんだろうか。
レイの存在。
妹として、
愛する人として。
忘れられる日がくるんだろうか
考えるだけで、
レイの嫌いなシワが寄る。
まあ、
仕方がない。
これはケイトがくれた少しの幸せ。
これを期に、
前を向けと言ってるんだと…
思うことにする。
ケイト。
おまえは寂しくはないか?
一人で。
最初のコメントを投稿しよう!