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私はアーレフに仕えるためにだけ、
この2年半を生きてきた。
そうしたかったから。私が。
アーレフと逢ってるときはアーレフを愛して、
ジェイの元に返ると、
ジェイに愛される。
そんなことは無理だと知ってたから。
私にもジェイにも。
ジェイのことを忘れてた訳じゃない。
ジェイのことはずっと頭の中にあった。
でも…
口には出来なかった。
ジェイという言葉を口から吐き出すと…
止められなくなってしまいそうだったから。
あと少し…
あと少しで逢えると思うと。
怖くて。
逢いたくて、
走り出してしまいそうなのに、
怖くて。
でも、
まだ早い。
まだ、ジェイ事を考えちゃ、ダメ。
まだ、
アーレフに逢う日が待ってるんだから。
最後の…
逢瀬。
この部屋は居心地がよかった…
暗いと感じたこの部屋は、
明るい色のファブリックで居心地がいい部屋になったし、
オリバーも、ずいぶんと自然と話してくれるようになった。
最初は業務連絡のような会話だったけど。
少しはケイトの代わりが出来たかな…
私のことを、
妹だと感じるなんて言ってくれて、
すごく嬉しかったんだ。
クリスマスなんて、
プレゼントってなんかダメかなって思って、
ケーキを焼いたりしてみたら、
オリバーもお菓子の詰め合わせなんて買ってきてくれて。
子供みたい。
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