第7話 自分と向き合う #2

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「きっと喜んでくれてる。 ありがとう…」 ふと見ると、 花が飾ってある。 リビングには観葉植物。 薄汚れてたカーテンが、キレイに真っ白。 薄暗かったリビングがすごく明るく感じた。 女の子が一人居るだけでこんなに明るくなるモンなんだ… 「今度はいつお仕事、行かれます?」 食事が終わって、片づけようとして、 レイが聞く。 「明日が休みで、その次から。 今度は一週間。 大丈夫? 寂しくない?」 ずっと一人で何してるんだろうか。 寂しいからと、ジェイの所に帰りたくなったりしないのか。 「大丈夫です。 オリバーさ… オリバーが帰ってくるから。 待ってます。 一人で考える時間も出来て、 ちょうどいいんです。」 あ、そうだ。 と、 部屋に入って、 クリーニングをすませてそのハンガーを持ってきた。 「出しておきました。 玄関にあったので。 今日、取りに行ったんです。 偶然、日本人の方がやってるお店だったから、 信頼できてよかったんです。 あの、モールの中にある…」 そうなんだ。 クリーニング屋には当たり外れがある。 下手なところはめちゃくちゃ下手くそで、ザツ。 「ああ。 ありがとう。 出かけるときに忘れて出た。 助かった。 私もあそこに出してるんだ。 丁寧で、いい仕事をしてくれるから。」 そんな生活の話も自然に出来る。 ふとした瞬間からなんだけど。 ケイト… レイを守ってやってくれ。 レイはどうしたらいいのか解らないんだ。 だからここに来た。 お兄ちゃんもどうしてやればいいかわからない。
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