第7話 自分と向き合う #2

4/8
前へ
/35ページ
次へ
「きっと喜んでくれてる。 ありがとう…」 ふと見ると、 花が飾ってある。 リビングには観葉植物。 薄汚れてたカーテンが、キレイに真っ白。 薄暗かったリビングがすごく明るく感じた。 女の子が一人居るだけでこんなに明るくなるモンなんだ… 「今度はいつお仕事、行かれます?」 食事が終わって、片づけようとして、 レイが聞く。 「明日が休みで、その次から。 今度は一週間。 大丈夫? 寂しくない?」 ずっと一人で何してるんだろうか。 寂しいからと、ジェイの所に帰りたくなったりしないのか。 「大丈夫です。 オリバーさ… オリバーが帰ってくるから。 待ってます。 一人で考える時間も出来て、 ちょうどいいんです。」 あ、そうだ。 と、 部屋に入って、 クリーニングをすませてそのハンガーを持ってきた。 「出しておきました。 玄関にあったので。 今日、取りに行ったんです。 偶然、日本人の方がやってるお店だったから、 信頼できてよかったんです。 あの、モールの中にある…」 そうなんだ。 クリーニング屋には当たり外れがある。 下手なところはめちゃくちゃ下手くそで、ザツ。 「ああ。 ありがとう。 出かけるときに忘れて出た。 助かった。 私もあそこに出してるんだ。 丁寧で、いい仕事をしてくれるから。」 そんな生活の話も自然に出来る。 ふとした瞬間からなんだけど。 ケイト… レイを守ってやってくれ。 レイはどうしたらいいのか解らないんだ。 だからここに来た。 お兄ちゃんもどうしてやればいいかわからない。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加