第7話 自分と向き合う #2

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「おうちに居るときぐらい、 そんな顔、しないで下さい。」 笑いながらそう言うレイ。 そんな酷い顔してるか? かなり緩んでると思うんだが。     「ほら、ここ。」 そう言って自分の眉間を指指す。 シワか… これは直せないなあ。 アイロンがあるかと聞かれ、 無いと答える。 バルコニーに洗濯を干していいかと聞かれ、 乾燥機でいいだろうと答える。 お日さまに干した方が気持ちがいいと言う。 なんか… 恋人同士の他愛のない感じの会話。 結構、気に入ってる。 レイはまだ、 私の中の変化には気が付いていないようだけど。 そして、 今日からレイに着く。 今日からはうちの商品。 私の妹でもなければ、 ましてや愛する人でもない。 商品として接しなければいけないんだ。 「ほら。また。」 と、眉間を指指すが、 この時ばかりはどうしようもない。 ますます深く、シワが寄ってしまうんだ。 毎週通ってると言うサロン。 明日からまた… あの方に抱かれるための、ケア。 それなのに、レイ。 おまえはどうしてそんなに嬉しそうなんだ…?
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