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第8話 そして… #2
「これは…事故だ。」
駆けつけた救急隊員に何度もそう言う。
オリバー。
薄れゆく意識の中、
それでもレイを守ろうとしてるんだ。
強い想いを感じてしまって、
どうしていいか解らない。
あ、ボスだ。
ボスに電話しなきゃ。
なぜかそう感じて、
救急車に運ばれるオリバーを追いかけながら、
電話をした。
警察に連れて行かれてる男を見て、そう思ったんだ。
知られちゃいけない。
なんかそんな刷り込みが消えてないんだ。
こんなときにそんな事…
自分がイヤになる。
オリバーは俺たちを助けてくれたのに。
いや、
レイを助けてくれたんだ。
そこには、
仕事以上の感情。
妹だと思う以上の感情がはっきりと感じ取れて…
レイはオリバーの傍を離れようとしない。
名前を呼びながら、自分のせいだと責めてる。
きっとこれは夢だ。
酷い夢。
悪夢に違いない。
こんな事があっちゃいけないんだ。
救急車の中。
「今度は…
ちゃんと…
助けられた…ケイト…」
ケイト…?
妹の名前か…?
意識が混濁してるのを感じた…
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