第9話 やっと。

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やっと、怒濤のような毎日が落ち着き、 アトリエにしてる私の部屋と、子供たちのいるリビングとを、 行ったり来たり。 あれから… あの結婚式の日から3年が経ち、 私は今年、二人目の女の子を産んだ。 最初の子は男の子。 名前は、 ケンとアカネ。 日本の名前。 ジェイがそうしたいって言うから。 急いで二人目を産んだのは、 ジェイが兄弟は必要だって言ったから。 それに、 私もお兄ちゃんの存在は、心強いし、 オリバーだってケイトのことをあんなに大事に思ってて、 掛け替えのない存在だって知ってる。 もうそんなに若くないし、急がなきゃ大変そうだから。 子供たちは私のアトリエにいるときには、 私の作業をジッと見てる。 きっとおなかの中でも一緒に制作してたから落ち着くのね? 本当にかわいい私の子供たち。 ジェイももちろん、メロメロ。 アンジーもそれ以上にメロメロ。 本当のおばあちゃんみたい。 アカネを抱いてお乳を飲ませてると、 もうすぐ3歳のケンまでお乳を欲しがるの。 それを見てるジェイまでも、 「それ、パパのだぞ?」 って言って笑わせる。 お乳は2つしかないのよ? 初めての個展から、 定期的に発表してる作品たち。 購入してくださったお客様にお礼のお手紙を付けて、 ホームページの方に感想を求めたりして。 いろんな人の意見が聞きたいの。 さすがに、すべての意見を取り入れることは出来ないし、 オーダーメイドのような作品も断ってはいる。 だけど、 私の知らない世界が見えるような気がして… 凄く新鮮。
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