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第8話 そして… #3
2,3段。
やっと上がって、ガラスの扉を開ける。
中で二人を探す。
たくさんの人。
初めての個展でこんなに人が集まるって…
少し出た頭。
きっとあれがジェイだな。
と言うことはその近くにレイがいるはずだ。
ライトとかがあって、新聞か何かの取材陣だろう。
そんなに大々的に?
もっとひっそりしてるのかと思ってた。
落ち着くのを待つか。
と入り口で待ってた。
ジェイが誰かと話しながらその群から出てきて、
俺を見つけた。
一瞬、目を見張って手を挙げる。
そしてまた、その群に戻って…
レイの手を引いて出てきた。
レイが俺を見て、
口元に手を遣り…
すぐに瞳の中に涙を溜める。
変わってないな…
相変わらず泣き虫だ。
ゆっくりと近づくと…
走って近づいて…
俺に抱きついた。
おいおい。
ジェイが見てる。
ジェイを見ると、コイツも涙を流してる。
おい。
おまえもまだ泣き虫なのか?
「オリバー…
逢いたかった。
もう大丈夫なの?」
涙声。
「ああ。もうすっかり。
すまなかったな、
何もいわずに居なくなったりして。
動けなかったから全部人に頼んだ。」
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