第9話 やっと。

9/14
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
レイ すごく綺麗だ。 日本で花嫁衣装を着たときもステキだったけど、 やっぱり俺が似合わなかったからな… それに、3人で… いや、5人でこの日を迎えられるなんて。 すごく素敵なクリスマスプレゼントだ。 想ってもいなかったよ? こんな事、準備をしてたなんて。 おまえは小さい体でスゴいエネルギーを発してるんだな… なんか、解るんだよ。 おまえがみんなを虜にしていくのが。 だから、きっと、 アーティストとしても成功するって信じてた。 作品だけじゃなくて、レイ自身にみんなが興味を持ってるんだって。 だから、 幸せじゃないとダメだ。 みんな、ガッカリする。 みんなは知らないことだけど、 俺だけは知ってる。 あ、オリバーもか。 レイの涙を知ってるのは… どれだけ悲しんで苦しんで、 今のレイがあるのか。 だけど、そんなことはもう、 過去のこと。 忘れてしまえばいい。 苦しんだ分、幸せになれる。 幸せを感じられる。 レイは大きな愛で出来てるんだから… ずっと口には出さなかったけど、 オリバーのことが気になっていたんだと思う。 それは俺も同じだから。 俺がもっと強かったら。 そう言ったことを気にして、 オリバーのことを口にしなかったおまえには、 本当に悪いことをしたと思う。 オリバーの気持ちを知ったとき。 本当に彼には感謝したよ。 レイを守ってくれただけじゃない。 俺までも守ってくれてたんだと知って。 だから、よけいに嬉しいんだ。 今日のこと。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!