第9話 やっと。

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最初の頃からずっと、 作品をお買い求め頂いてるご婦人がいらっしゃる。 もうずいぶんとお年のようで、 画商の方に頼んでご購入されてるみたい。 お体が良くいらっしゃらなくて、 出かけられないと言われてた。 霧の都にお住みの優しそうな感じの言葉がいつも私を癒してくれる。 パソコンの中の文字でしか会話をしていないけど、 結婚式を挙げたことや、 子供が産まれたこと、 そのとき時のニュースをつい話してしまってる。 そして、 みなさまのおかげでこうやって幸せに居られることなど、 本当に私のおばあちゃんのような感じで話してた。 小さい頃は私も長い休みになったら、 おばあちゃんの家に何日も泊まりに行っていたときのことなんか、 思い出して… もちろん、その人だけじゃなくて、 お買い求めいただいた方に、よくお言葉を掛けていただける方だと思う。 幸せなこと。 そんなに頻繁ではないけど、 年に1,2度。 作品をお買い上げいただいたときだけ。 そんな時間も、 私の作品に影響してると思うんだ。 幸せな感じを表現出来てると思う。 ご覧になられる方にも、そんな幸せが伝わればいいなって… そして、 ひとつ。 気が付いたことがあるんだ。
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