第8話 そして… #3

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そして、ここに来る前にプロポーズした。 ほんの数時間前。 「あなたと一緒に生きていくって、 わかってましたよ?」 とか言う返事。 もしかして… わかりやすい人間なのか? この私は。 驚いた顔で、 俺を抱きしめるジェイ。 なんだなんだ? 今度はおまえか? 「よかった。 本当によかった。 幸せになれよ?」 だから泣くなって… 重いし、痛いんだよ…まだ。 ずっと立ってるのが。 でも、 なんか嬉しいよ。 過去の呪縛から解き放たれた感じがする。 こうやって普通にしてられる自分も、 キャシーがずっと傍に居てくれたからだと知ってる。 レイがそれを見つけて、 キャシーと傍に来る。 「オリバー、 彼女と結婚するんだって!」 ジェイがレイに伝えると、 また… レイが俺を抱きしめてくれる。 おめでとうって言って。 この二人。 本当に心配してくれていたんだ… ありがとう。 独りで迷い込んだ闇が嘘のようだ。 こんなに大事な友達だったなんて… レイが呼ばれて、 「待っててね? まだいっぱい話したいの。」 レイを待つ群の中に溶け込んでいく。 ジェイに番号を渡して、 「帰るよ。 またゆっくり話そう。」 そう言うとジェイが引き止める。 「まだ、そんなに長く立ってられないんだ。 今度逢うまでにはちゃんと直しとく。」 キャシーが杖を出してくれた。 やっぱりチョットキツいな。 支えなしで立ってるの。 レイに見つからないようにそっと、 ギャラリーをあとにした。
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