ブランコ

3/34
前へ
/34ページ
次へ
「あの女のところになんて 行かせない!」 部屋から出て行こうとする父の腕を 母は鬼の形相で引っ張った。 「離せよ! 俺はお前といると、 イライラするんだよ」 「ダメ、 行っちゃダメ。 私、 あなたをあんな女のところには 行かせない!」 父はそう言った母の手を振り切って、 部屋を出て行った。 僕はその様子を部屋の隅で、 いつものように怯えながら 見ていた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加