第1話

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一ヶ月お母さん 「で、蓮君…だっけ?」 「うん!蓮だよ!1年生なの!!」 まぁ随分可愛らしいこと。 「百合香ちゃん、ここでは特別な事情がある子を預かっているの」 「特別な事情…?」 「ええ、蓮君は親がいないの。」 「…はぁ!!??それで蓮君のお母さんになれって!?」 「違う違う!蓮君には親がいないって言うか、親が仕事でいつも家にいないから、ここ2年間ずっとここで過ごし暮らして来たの。」 ”つまり家にも帰れないし親にもあってないってことよ” 叔母さんがそういい私に蓮君を渡して来た。 「百合香ちゃんは蓮君の家に行って一緒に暮らしてくれる?しばらくの間でいいの、親御さんには許可を得てるしむしろ大歓迎だと」 「そんな勝手に…」 「…家に…帰れるの…?僕、家に帰れるの?」 どうして子供とは純粋なのか どうして私とは頼み事を断れないのか… 「分かった。引き受けます」 ホントに、この仕事をやっていけるのだろうか。 ____________ _________ ____ _ 叔母さんの家から車で10分 蓮君の家よと言われて渡された地図を見てここまで来た 「僕の、家だ…」 少し泣きそうなのか声が震えていて どのくらい帰りたかったのか 帰れなかったのか 寂しかったのかが分かった 「おねーちゃんありがとう。」 おねーたんじゃなくなった でも蓮君のありがとうの笑顔はとても輝いていた タッタッタッと走って早速家の中に入ろうとする蓮君。 「こーら、危ないから走らない走らない」 「はーい!おねーちゃんお母さんみたい!」 「今はお母さんですもん!」 今は、お母さんですから。
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