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「でも、なんか震えてない?」
「そうですか?」
それは
“武者震い”というやつかもしれない。
「気のせいですよ。 もしくは、外が寒かったからです」
「そう? じゃあ、手出して。 俺が温めてあげるよ」
「結構です」
「相変わらずはっきりしていて、気持ちがいいね、君は」
「どうも」
私は今、
まるで一世一代の大勝負にやってきたかのように
良い意味で久々に緊張している。
これは自分と対等に張り合って
戦える相手と出会った時に感じる感覚と似ている。
私の策に彼はどうでるだろう。
勝つか、負けるか。
白黒はっきりつける時が来た。
そうよ、
これはもはや戦いよ…!
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